ある日の課外授業(シンポジウムリポート)

既にお知らせの通り、5月22日から23日にかけてシンポジウムが開催されました。
今週はいつもの演習レポートをお休みして、こちらの様子をお届けします。

石見先生の講演は、以下のタイトルで22日(金)の朝一番に行われました。
「中国隋唐史研究とユーラシア」
唐代は日本の文化や政治に多大な影響を与えた時代であり、日本史研究者側からの要望もあって、早くから研究対象とされてきました。
しかしながら当時の唐代史研究は、各分野に大家とも言うべき専門家がおり、彼らが個別にセオリーを打ち立てる一方で、分野を越えた交渉はほとんどなく、各人が個別的な研究に特化していたため、例えば、唐王朝はその「世界帝国性」を早くから指摘されながらも、その実態はほとんど明らかではない、といった矛盾がありました。

そのような中で石見先生は、唐王朝と北方との関係に着目し、「唐の建国と匈奴の費也頭」(『史学雑誌』91-10,1982)の論文を皮切りに、「遊牧民と農耕民との中間地帯」の提唱と「史料批判」によって研究に取り組んで来られました。
ごくごく短い時間ではありましたが、お話からは、唐代史研究の新たな視角を模索しながら、第一線で活躍する先生の姿を、垣間見ることができました。さらに、近年の墓誌を用いた研究では、従来、考えられてきたものとは異なるソグド人の姿が浮き彫りになったそうです(…このあたりについては、発売したばかりの「世界史リブレット」をどうぞ。笑)。

今後、唐代史研究を担うべき我々に求められているのは、中国内部だけではなく、中央アジアを含む東ユーラシア全体を包括した、より多角的な視野で研究に取り組んでいく姿勢ではないでしょうか。わたしたちの道のりは、まだまだ長いようです。
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by 1009-members | 2009-05-23 22:25 | 学会・シンポジウム
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