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ある日の東洋史学演習7-2(11月30日)

座っていると、下からじわじわと寒さが這い上がってくるような気がするので、ついにホットカーペットを解禁しました。布団も一枚増やしました。そんな今日この頃です。

今週の発表は、近藤ゼミ修士1年の松井くんです。タイトルは以下の通り。
五代から北宋へ―「貴族」制の崩壊を「士族」の用例から考える―
松井くんは唐代の「貴族」が五代を経て変質・崩壊し、宋代に新たな支配者層として「士人」が誕生するまでの過程を考察対象としています。今回の発表では『旧五代史』『宋史』から「士族」の用例を抽出し、『旧五代史』では「士族=貴族」という認識であったのが、『宋史』では「士族=士大夫」と変化するという試論を述べました。

質疑応答では、関連史料の系統的な整理とその分析がなされていないことに、根本的な問題があるという指摘が相次ぎました。史料的な制約がかなりある時代だけに、困難も多いかとは思いますが、指摘された点を最大限改善し、議論をより深化させていってください。
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by 1009-members | 2012-11-30 23:08 | 授業風景

ある日の東洋史学演習7-2(11月16日)

今日の登校時、駅から大学へ歩いて向かっていると、前の歩行人が急に振り返って「早稲田大学はどこか」と道をたずねてきました。「ここを真っ直ぐ行けば…」と答えてみたものの、どうも日本語が怪しい。「じゃあ一緒に行きましょう」ということで、彼ら、ベトナムからの留学生さんたちと一緒に登校してきました。
なんでも、早稲田大学に通っている友人に会いに来たのだとか。しかし、肝心の友人がどこにいるのかが分からず(早稲田は広いので…orz)、結局、彼らの力になれなかったという無力感に打ちひしがれてゼミに参りました…。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、今週の発表は工藤ゼミ修士1年の平林さんです。
タイトルは以下の通りです。
「春秋時代における女性の立場の問題
         ―『左伝』の「薨」「葬」記事についての試論」
平林さんは『左伝』に見える婚姻記事を手掛かりにして、実家と嫁ぎ先のあいだに立たされる女性の帰属問題等々の処遇のありかた、引いては春秋時代における家族の形態について、明らかにしようとしています。
今回の発表では、婚姻のなかで娘/嫁として位置づけられる立場の問題、そして死亡時における女性の処遇の問題を検討されていました。

質疑応答では、未亡人となった際に子供はどこに帰属するのか、遊牧民的婚姻観との差異と類似は有るのかどうか、などの質問が挙がりました。
または、の話ですが、ジェンダー、あるいはフェミニズムのような新しい視点を戦略的に部分採用する、ということを試行しても良いかもしれませんね。
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by 1009-members | 2012-11-16 21:05 | 授業風景

ある日の東洋史学演習7-2(11月9日)

この時期になるといつも迷うのが、「いつコートを着るか」ということです。
タイミングを間違うと、あっという間に風邪を引…く…orz

そんな今週の発表は、博士3年の呉さんでした。タイトルは以下のとおりです。
「唐代左・右蔵庫の変容と内庫との関係」
唐代の「蔵庫」には左蔵庫(全国からの賦税を収納)・右蔵庫(貢献制によって献上された特産品を収納)・内蔵庫(皇帝の私的宝物庫。皇室財政を賄う)があります。
これらのありかたは、唐の財政体系や制度運営の変容とともに変化するのですが、今回の発表で呉さんは、長安城における左・右蔵庫の位置の変遷を跡づけられました。

議論の詳細につきましては、呉さんも、11月11日(日)に行われる史学会の東洋史部会で、同名の発表を行いますので、よろしければ会場まで足をお運びくださいませ。
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by 1009-members | 2012-11-09 13:16 | 授業風景