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ある日の東洋史学演習7-1(5月29日)

今日は朝から激しい雨で、首都圏ではお決まりのように電車が遅れました。
当然、通学意欲は雨脚と反比例します。ははは(乾いた笑い)

さて、本日の発表者は王さんでした。発表タイトルは、以下の通りです。
「唐代における皇帝親征と大将出征の太社祭祀について
      -『大唐開元礼』の軍礼をめぐって-」
『大唐開元礼』は、唐の玄宗期に編纂されたもので、150巻からなり、
吉礼(78巻)・賓礼(2巻)・嘉礼(40巻)・軍礼(10巻)・凶礼(20巻)に分類されます。
この『大唐開元礼』は、礼制研究において非常に重要な地位を占めているのですが、
特に「軍礼」などはほとんど研究されておらず、まだまだ研究の可能性が残される分野です。

王さんは修士論文で、この「軍礼」に焦点をあて、国家祭祀の一部である皇帝親征と大将出征の太社における祭祀活動を比較した上で、両儀式の差異を明らかにしようとしています。

今回の発表では、出発前に行われる祭祀活動である、「類」・「宜」・「告」の内容や、
祭祀の時の皇帝や役人の動きを、図示しながら報告していただきました。

文字史料のみから、祭祀の時の人物や物の配置を復元するのは、非常に大変な作業です。
「右」と書かれていても、どこを基準に「右」と指しているのか、すぐには判断できません。
今日の発表は大変濃い内容でしたが、これでまだ史料の1/10程度ということで、
それだけでも、軍礼の内容を解明するのは容易ではないことが解ります。
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by 1009-members | 2009-05-29 23:00 | 授業風景

ゼミページ復旧のお知らせ

数日前から、石見研究室のページに以下の障害が発生しておりました。
①IE(ver.6)で閲覧した場合、各ページ上部に大きな空白が出る。
②ページのレイアウトが正しく表示されない。
みなさまには、しばらくご迷惑をおかけしてしまいました。
先ほど復旧作業が完了しましたので、お知らせいたします。

ページはFirefox(とIE8)に最適化されておりますので、今後も、IE6での閲覧に不具合が
出る可能性があります。随時IE6対策をして参りますが、その点、ご了承下さいませ。
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by 1009-members | 2009-05-28 16:22 | お知らせ

ある日の課外授業(シンポジウムリポート)

既にお知らせの通り、5月22日から23日にかけてシンポジウムが開催されました。
今週はいつもの演習レポートをお休みして、こちらの様子をお届けします。

石見先生の講演は、以下のタイトルで22日(金)の朝一番に行われました。
「中国隋唐史研究とユーラシア」
唐代は日本の文化や政治に多大な影響を与えた時代であり、日本史研究者側からの要望もあって、早くから研究対象とされてきました。
しかしながら当時の唐代史研究は、各分野に大家とも言うべき専門家がおり、彼らが個別にセオリーを打ち立てる一方で、分野を越えた交渉はほとんどなく、各人が個別的な研究に特化していたため、例えば、唐王朝はその「世界帝国性」を早くから指摘されながらも、その実態はほとんど明らかではない、といった矛盾がありました。

そのような中で石見先生は、唐王朝と北方との関係に着目し、「唐の建国と匈奴の費也頭」(『史学雑誌』91-10,1982)の論文を皮切りに、「遊牧民と農耕民との中間地帯」の提唱と早稲田史学伝統の「史料批判」によって研究に取り組んで来られました。
ごく短い時間ではありましたが、お話からは、唐代史研究の新たな視角を模索しながら、第一線で活躍する先生の姿を垣間見ることが出来ました。さらに、近年の墓誌を用いた研究では、従来、考えられてきたものとは異なるソグド人の姿が浮き彫りになったそうです。(…このあたりの詳細については、発売したばかりの「世界史リブレット」をどうぞ。笑)

今後、唐代史研究を担うべき我々に求められているのは、中国内部だけではなく、中央アジアを含む東ユーラシア全体を包括した、より多角的な視野で研究に取り組んでいく姿勢ではないでしょうか。わたしたちの道のりは、まだまだ長いようです。
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by 1009-members | 2009-05-23 22:25 | 学会・シンポジウム

ゼミページ運営開始とおわび

昨日、5月18日より、早稲田大学東洋史HP内に、石見ゼミデータがアップされておりますが、
ページはFirefoxに最適化されているため、IEでは正しく表示されない場合があります。
現在、IEで閲覧した場合、各ページの上部に大きな空白が出来てしまう状態です。

エラーは随時修正して参りますので、今しばらくお待ち下さいませ。
ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いいたします。
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by 1009-members | 2009-05-19 14:04 | お知らせ

【シンポジウム】早稲田アジア学確立への挑戦

師匠は常に忙しい人なのですが、最近とみに忙しそうです。
何かあるのかしら、と思っていたら、シンポジウムが一週間後に迫っておりました。
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早稲田大学アジア研究機構第5回シンポジウム
「早稲田アジア学確立への挑戦」


2009年5月22日(金)・23日(土)
国際会議場 井深大記念ホール、3階第1、第2、第3会議室
両日とも、まず井深大記念ホールで共通セッションが行われたあと、それぞれの部会ごとに会議室に分かれて個別セッションがあるようです。本シンポジウムは、担当者がそれぞれの分野の方法論を説くとともに、なぜ今の研究分野を選択したかなど、自身の研究経験談を語る、というのがコンセプトで、学生・院生にとっては絶好の研究ガイダンスとなることと思います。みなさまお誘い合わせの上、ぜひお越し下さいませ。

More(詳細情報)
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by 1009-members | 2009-05-16 16:16 | 学会・シンポジウム

ある日の東洋史学演習7-1(5月15日)

今週はいいお天気が続きましたね。
こんな日は縁側で犬と一緒に日向ぼっこがしたいです。

さて、本日の発表者は林さんでした。発表タイトルは、以下の通りです。
「唐代前期北衙禁軍の形成-墓誌史料の事例分析を中心に-」
林さんは、修士論文において「唐代前期北衙禁軍」を分析し、今までその全貌が明らかではなかった北衙の構造と、頻発する宮廷政変との関係性を検証しようとしています。

今回の発表では、在来史書に見る北衙の変遷を踏まえた上で、具体的な墓誌史料を取り上げて照合し、北衙の構造の一端について所見を述べていただきました。

独自の表やグラフを駆使した、ボリュームたっぷりのプレゼンでしたが、
・兵士はどこに居住していたのか?その勤務形態は?
・北衙禁軍の構成員はどこから補充されるの?
・北衙と南衙の将軍職にはどのような連環性があるのか?
など、北衙禁軍に関する謎はまだまだ深まるばかりです。
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by 1009-members | 2009-05-15 23:19 | 授業風景

ある日の東洋史学演習7-1(5月8日)

楽しかったGWも終わり、再び日常に戻って参りました。
みなさま、国民の祝日はしっかりお休み出来たでしょうか(一部からブーイングの声)。

さてさて、GW明け初の演習である本日の発表者は、齋藤さんでした。
発表タイトルは、以下の通りです。
「晋南朝時代の喪葬儀礼における賜与物について
-死者の官位と賻物の種類・数量の関係を中心として-」
齋藤さんは現在、「中国古代の喪葬儀礼」を修論テーマに設定し、皇帝がいかに官僚を処遇したか、また君臣関係がいかに秩序づけられていたか、の一端を探ろうとしています。

今回の発表では「晋南北朝時代」に焦点を当て、喪葬儀礼における恩典のうち「賵賻」(ぼうふ、お香典のこと)とはいかなる儀礼なのか、当該時代における賜与物にはどのようなものがあるか、ということについて所見を述べていただきました。

その中で、特に参加者の注目を集めたのは、「東園秘器」(とうえんのひき)という、トップクラスの臣下の葬送儀礼を行なう際に、皇帝から下される賜与物についてでした。
・「東園秘器」とは棺桶であると考えているようだが、本当にこれは棺なのか?
・棺と言わずに「秘器」と言う理由は何か?
・そもそも、「東園」というのは具体的にどの場所のことなのか?
など、耳慣れないタームも多かったのですが、活発な議論が飛び交いました。
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by 1009-members | 2009-05-08 23:45 | 授業風景